編集後記
「 ニコと笑顔でやさしい 暖かさのホッカイロ 」
私と妻は、必ず週に1度コーヒー店でモーニングを楽しんでいます。
ある日トイレから出ようと扉を引くと、目の前に杖をついた腰の曲がったおじいちゃんが立っていました。ちょうど私が扉を引いて出ようとしたタイミングとおじいちゃんが扉の前に立ったタイミングが同じだったのでしょう「ここのお店のドアは自動ドアかいな」とそのおじいちゃんが言ったのです。私はその言葉が微笑ましく「おじいちゃん、違いますよ、この扉は私が開けたのですよ」と心の中で突っ込みを入れました。
そんなことがあった後、コーヒー代を支払いお店の出口に向かうと、先ほどトイレで出会ったおじいちゃんもお店を出るところでした。
外では雨が降っていましたが、おじいちゃんは傘を持っていないみたいで、雨の中を駐車場に向かって歩き出しました。私は急いで持っていた傘を開いて追いかけ、おじいちゃんが濡れないように後ろから傘をさし掛けました。
誰か駐車場に迎えが来ているのかと思い、おじいちゃんが向かう方を見ると、白い車の運転席に女性の姿が見えました。「やっぱり家族が迎えに来ていたんだ」と思いましたが、おじいちゃんはその車には近づかず、隣の軽トラックへ。私は杖をついた腰の曲がったおじいちゃんは、運転をしないと思い込んでいたので「えー、まだ運転しているんや」と驚きました。
おじいちゃんは車に乗ろうとした時、初めて私が後ろで傘をさし掛けているのに気がついたようでした。
私の顔を見て驚いた様子でしたが、ニコと笑顔で会釈され車で去っていかれました。
おじいちゃんの「ニコと笑顔」あの日の外は冷たい雨が降っていましたが、心の中にやさしい暖かさのホッカイロをいただきました。
H・T