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 北九州市障害福祉情報センター > ひこうせん未来 > 99号 > 

◆竹ちゃんの一言◆

情報誌「ひこうせん未来」

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◆竹ちゃんの一言◆

 兄弟・姉妹も闘っている

 

今年の北九州市の成人式に、重度障害のA君が両親と一緒に参加している様子がテレビで流れていた。A君が生まれた時は、呼吸が弱くすぐに病院のNICU(新生児集中治療室)に入院しなければいけなかった。
 お母さんが病院内でのA君の様子を撮影した映像を帰宅して流すと、お姉ちゃんが「A君だ!A君だ!」と言って画面をみて楽しそうに笑う。
 お母さんは、お姉ちゃんがA君に「大好きだよ」って言ってすごくかわいがる、その様子を見て「(A君が)ああ生まれてきてくれてよかったって思うんです。はずかしい話ですが、お姉ちゃんがいなかったら、そんなふ
うに思えなかったかもしれない」と話していた。
 現在お姉ちゃんは大学生になり、A君にも弟が生まれ家族は5人になった。じゃれあい、冗談を言い合いながら、お姉ちゃんと弟は、A君の顔を拭いたり痰の吸引をしたり、3人姉弟はとても仲が良い。
 この場面を見て昨年放送されたテレビ番組を思い出した。
 お兄ちゃんと弟の2人兄弟で、弟には知的障害がある。
 両親と兄弟の4人で公園に遊びに行った時のこと。兄弟がボールを蹴って遊んでいると、それを見ていた子どもたちがボールをうまく蹴れない弟を見て「あんな簡単なボールも蹴れないや」と笑っている。お兄ちゃんは子どもの方に歩き出した。
 叱るのかと思ったが、なにか話をしている。話が終わると心配そうに見ていた母親のところに戻り「弟の障害を説明してきたよ」と言うのである。その後、兄弟はまた遊び始め、母親は笑顔の中に涙を浮かべていた。

 

 障害当事者、親は偏見や差別と日々闘っているが、兄弟たちも闘っていることを忘れてはいけない。

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