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情報誌「ひこうせん未来」

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編集後記

 昨年放送され、話題になったドラマ『恋です!ヤンキー君と白杖ガール』。弱視の女の子と、札付きの不良少年との不器用で純粋な恋を描きつつ、日常の中の「視覚障害あるある」を散りばめたドラマは新鮮で、視覚障害当事者の人たちにも大好評だったという記事を読みました。撮影、監修に視覚特別支援学校も協力しているだけあって、弱視や全盲の人たちの生活のリアルが、多くの人に伝わったようです。
 障害のある人を主人公にしたドラマや映画は、これまでにもたくさんありました。でも、私がずっと不思議に思っているのは、なぜドラマや映画の「日常」の中に、障害のある人が登場しないんだろう?―ということです。
 例えば、主人公の「友だち」として、「お隣さん」として、「職場の同僚」として、ドラマが描く日常の風景の中に、なぜ障害のある人は居ないんでしょうか? 私の夫は聴覚障害者で、仕事に行けば職場の人の「同僚」ですし、私たち一家はお隣さんの「お隣さん」として日常の風景に存在します。町に出れば、それこそ白杖で歩いている人も見かけます。ならば、サスペンスドラマの主人公の親友に視覚障害があったり、世話好きの隣のおばちゃんは耳が聴こえなかったり、学園ドラマにサポートが必要な友だちが出てきたり…登場人物の一人として、障害のある人がキャスティングされる機会はもっとあっていいはずです。だって、「居る」んですから。
 本年度アカデミー賞作品賞を受賞した映画『Coda コーダあいのうた』は、耳の聞こえない家族の中で唯一耳が聞こえる少女が、歌の才能を見出され、夢と現実のはざまで葛藤する物語ですが、耳の聞こえない人の役を、すべて耳の聞こえない俳優が演じたことでも話題になりました。
 障害のある人が俳優として活躍できる―俳優が将来の選択肢の一つになる―日本にも、そんな日が早く来ればいいなと思います。(O)

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