ありの「スポーツどうなん?」
第56回 感動をありがとう!
北九州市障害者スポーツセンターアレアス
所長 有延 忠剛
7月3日の未明から明け方にかけて、日本列島が歓喜と悲鳴を上げた。今回もまたベスト8への壁を破ることができなかった、サッカーワールドカップ。いつものように私もテレビの前で、一人で絶叫していた。
本当に残念な敗戦だったが、その敗因を考えるとき、自分が一番に感じているところを、なぜかメディアが伝えてくれない。今のところそういった解説にも出くわしていない。
前半を無失点でしのいだ日本は、後半開始早々に先取点を入れた。それどころか立て続けに2点目が入った。後半10分、2対0で日本がリード。恐らく誰もが予想し得ない最高の展開。だが、これが落とし穴となった。2対0となり絶叫した私だったが、実はその直後に2対3という最悪の結末が脳裏をよぎっていた。
まさに最高の展開の中で生まれた「油断」。これこそが最大の敗因だと私は感じている。
私が監督を務める身体障害者野球チームの試合中、投手が相手打者を三振に取った時、「同じ気持ちで!」とよく声を掛ける。大リーグの大谷翔平選手もプレーの中で「一喜一憂しない」ことを大事にしているそうである。
何はともあれだ。日本国中に大きな感動を与えてくれた選手たちにありがとうと言いたい。
日本代表が2002年を含め17年間で5回ワールドカップに出場したのと同じく、17年間で5回、冬季五輪に出場したスキーモーグルの上村愛子選手が、4回目のバンクーバー五輪の時に残した言葉を思い出す。
「(7位、6位、5位、4位と)何でこんなに一段一段何だろう・・・」
また次のチャレンジを応援しよう!!