災害時における障害者支援について
門司区身体障害者福祉協会
会 長 土井 雅嗣
毎年、各地で自然災害が発生しており、多くの人命や財産等が失われています。昨年7月の台風7号は、北九州市も局地的に激しい大雨が降り地盤が緩み門司区萩ケ丘校区に居住していた2名の方が尊い命を奪われたことは悲しい記憶として残っています。
このような状況を踏まえ、北九州市障害福祉団体連絡協議会(以下、障団連という。)は今年、災害時支援を切り口とした「地域との交流」事業を一つの活動として全区で取り組むこととしました。今回、門司区での取り組みについて報告します。
【取り組みの流れ】
①門司区役所総務企画課地域防災担当係へ本件趣旨説明と併せて本年実施する防災訓練へ障団連として参加したい旨、依頼したところ快く承諾いただいた。
②門司区社会福祉協議会へは、16校区で組織する「門司区民生委員児童委員協議会」会長会議に出席し、災害時の避難等を含めた課題等を説明し、今後の協力関係づくりのお願いをした。また、関係機関の一つとして身体障害者福祉協会より、障害者相談員との連携強化をお願いした。(障団連:参加者7名)後日、数校区が今回の趣旨に共感し、独自に勉強会を企画。障団連事務局より講師派遣を行った。
③民生児童委員協議会の下部組織である障害者部会の研修会(意見交換会)を本テーマで企画していただき、それぞれが抱えている課題等の説明をとおして地域で孤立している障害者の掘り起こし等に当事者団体との連携と協力をお願いした。
なお、本研修会の冒頭に急遽、地域防災担当係長を招き「避難行動要支援者避難支援事業」の現況説明を求めた。
(障団連:参加者4人)
【防災訓練担当者会議に参画】
毎年開催される防災訓練は、今年は萩ヶ丘校区で開催されるということで、担当者全体会議が3回開催され、障団連より3人が出席した。
【訓練の目的・趣旨】
テーマは『大雨災害』として地域住民の「自助」・「共助」に着眼した防災意識の高揚。
第1部:住民参加型避難誘導訓練
第2部:門司消防署による防災講話、グループワーク等
第3部:関係機関による救助・救出訓練
まとめ
今回防災訓練担当者会議に参加するなかで、訓練対象校区外の障害者は萩ケ丘市民センターに集合し、避難先である萩ケ丘小学校まで徒歩で避難することにしましたが、その際の介助者に門司消防署員が同行しました。日ごろ障害者との関わりがなく勉強を兼ねぜひとも署の職員を介助者として同行させてほしいとの申し入れがあり、今後の関係づくりにつながっていけばと思っています。
当日は、天候もよく、障害当事者及び家族を含め15名で参加、行政職員、門司消防署員、区社協職員の方々にサポートしていただき事故なく一連の企画に参加しました。今回の体験をとおして「自助」・「共助」について今一度、考えるきっかけになったのではないでしょうか・・?
また、これまでの取り組みの目標は、「災害時における障害者支援を切り口とした関係機関との関係づくり」ですが、まだほんの入り口に入ったばかりであり、今後も機会があれば積極的に関わっていく必要があります。
「継続は力なり」皆さん頑張りましょう。