コロナに負けないセンターの取り組み
北九州市障害者社会参加推進センター
岩崎 桃果
今年は新型コロナウイルスの影響で、北九州市障害者社会参加推進センター(以下センター)でも講座や研修会を開催することがなかなか出来なくなってしまいましたが、事業について見つめなおす良い機会となりました。
今回はそんなコロナの影響によって生まれたセンターの「プラス」な取り組みについて
紹介したいと思います。
身体障害者相談員ってどんな制度?
新たな取り組みの紹介をさせていただく前に、身体障害者相談員の概要について少
し説明いたします。
身体障害者相談員とは、身体障害者福祉法に法的根拠を持つ、北九州市長より委嘱され、活動している相談員のことです。
現在、北九州市では各区に、肢体障害(上肢・下肢・体幹)、視覚障害(弱視・全盲)
、言語障害(失語症・喉頭摘出)、内部障害(心臓・腎臓・オストメイト)の相談員がいます。(相談員の名前が記載されているチラシは、東部、西部障害者福祉会館の窓口や各区の高齢者・障害者相談コーナーに置いてあります。)
相談員は、相談者に寄り添い、ただ悩みを聞くだけにとどまらず、自身の経験からアドバイスをしたり、福祉用具や制度などの情報提供をしたりと様々な相談を受けています。
新たな取り組み〜メール相談〜
今まで相談は、①電話②FAX③対面で受け付けていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴い、不要不急の外出を避け、なるべく人と会わない生活を送っている方が多いと思います。
そこで、直接相談に行けなくても、皆様が今までのように相談ができる「メール相談」を始めました。
相談の流れとしては、
①社会参加推進センターのアドレス[email protected]にメールを送る
②センターの職員から適任の相談員に繋ぐ
③担当相談員が決定したら相談者に連絡
④相談員またはセンターが相談者の相談内容についてメールで対応
以上が相談の流れになります。
相談員はもちろん、センターの職員にも守秘義務があるため、相談内容が他人に知られることは、絶対にありません。また、相談は無料でお受けしています。
電話では緊張してしまうため、なかなか相談できなかったという方もこの機会にぜひ相談されてみてはいかがですか。
障害啓発動画活動
今まで、センターでは研修会等は参加者が会場に集まるという方法を取っていました。
そのため、広報が不十分だったり、遅れたりすると、参加者が少なくなってしまい、より多くの方に障害について知っていただくという「啓発」の部分が上手くいっていませんでした。
そこで、今年はこの機会を利用して、多くの方に興味を持っていただけるような「啓発動画」を作成・配信する事にしました。
現在配信している動画は、視覚障害の方がiPhoneなどを使用する際に使う画面の内容を音声で読み上げる「ボイスオーバー」という機能を紹介していくもので、主にボイスオーバーのことを知りたい支援者の方を対象にしています。
内容としては、初心者である私と一緒に基本操作を覚えていき、最終動画までには、実際にボイスオーバー機能を使って、視覚障害の方とLINEで簡単なやり取りができるようになることを目標としたものです。
1つの動画に3つ〜4つの操作を取り上げていて、全体で3分〜5分と見やすい動画になっています。
動画は今後もどんどん配信していくので、「北九州市身体障害者福祉協会」で検索して、ホームページ内のYouTubeチャンネル動画一覧から、ご視聴されてください。
また、ここでは「動画」での啓発活動を紹介させていただきましたが、この他にも外部機関と協力して、オストメイト(人工膀胱・人工肛門保有者)についての啓発冊子を作成したり、視覚障害者の支援者向けにDVDを作成したりと、今年は様々な形で啓発活動を行っています。
何か気になる事がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
終わりに
新型コロナウイルスの影響で予定していた様々な事業を中止せざるを得なくなってしまい、当初は困惑していましたが、このことがきっかけとなって、今だからこそできることってなんだろうと考えるようになり、上記の企画が出来ました。
今はどうしても暗い話題が多く不安な日々が続きますが、皆さんも今だからこそできることってなんだろうと、嬉しい変化に目を向けてみてください。そして一緒に楽しく乗り越えていきましょう。
北九州市障害者社会参加推進センター
〒804-0067 北九州市戸畑区汐井町1-6 ウェルとばた6階
TEL(093)883-5554 FAX(093)883-5551
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