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 北九州市障害福祉情報センター > ひこうせん未来 > 72号 > 

『障害者の65歳問題』

情報誌

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『障害者の65歳問題』

障害者の生活と権利を守る福岡県連絡協議会会長

65歳高齢障碍者問題検討会議世話人

石松周

65歳になったら…

Aさんの場合

65歳になるとこれまで通っていた作業所に行けなくなりました。

Bさんの場合

65歳になると今まで慣れているヘルパー事業所が利用できなくなりました。新しく介護保険で対応する事業者を探すことになります。

Cさんの場合

65歳になると、住み慣れているグループホームを退所しなければなりません。

Aさん Bさん Cさん 共通

65歳以降 今までヘルパー利用や通所施設の利用は無償だったのに同様のサービスは有料で自己負担が上限15,000円になります(住民税非課税世帯)。

なぜそうなる?

65歳の誕生日を迎えた障害者で、これまで通所施設(生活介護)、居宅サービス(身体介護、家事支援、重度訪問介護)、グループホームを利用して自立した生活を送っていてもこの日を境に介護保険によるサービス提供となります。

1. (1)今まで長く通所施設(生活介護事業所)を利用していたAさんは65歳の誕生日から利用できなくなりました。Aさんは介護保険のデイサービス提供を受けることになります。

(2)Bさんは住み慣れたグループホームを退所し、新たに介護保険の事業所のグループホームへ転居しました。

(3)AさんBさんCさん、いずれも介護保険サービスには月額15,000円を上限に1割負担の利用料が徴収(住民税非課税世帯)されます。

2. 障害者総合支援法7条では、65歳以降の障害者は介護保険と同じようなサービス内容であれば介護保険を使いなさい。と明記されています。以下の条文です。

障害者総合支援法第7条(他の法令による給付との調整) ※1

自立支援給付は、当該障害の状態につき、介護保険法(平成九年法律第百二十三号)の規定による介護給付、健康保険法(大正十一年法律第七十号)の規定による療養の給付その他の法令に基づく給付であって政令で定めるもののうち自立支援給付に相当するものを受けることができるときは政令で定める限度において、当該政令で定める給付以外の給付であって国又は地方公共団体の負担において自立支援給付に相当するものが行われたときはその限度において、行わない。

(※1)障害者総合支援法第7条(他の法令による給付との調整)とは…

障害者総合支援法により障害施策サービスを受けていた障害者は、65歳になれば介護保険よる介護給付を受ける対象者となります。64歳まで受けていたサービスが介護保険のサービスと同じようなサービスであれば介護保険のサービスを優先させなさいと法律で規定しています。

そのためにAさんBさんCさんのようなことが起きてきます。

65歳以降に利用できるサービスと利用できないサービス(注1)

1. 通所系

(1)就労継続支援A型・B型は介護保険のサービスにはないので継続利用ができます。

(2)生活介護(通所施設・作業所)は65歳以降は継続利用はできません。

2. 訪問(居宅・短期入所・共同生活介護(グループホーム)等)系

(1)身体介護(食事・排せつ・入浴介護等)は65歳以降は継続利用できません。

(2)重度訪問介護は65歳以降は継続利用できません。

(3)短期入所は65歳以降は継続利用できません。

(4)グループホームは65歳以降は継続利用できません。

(5)同行援護・行動援護・生活訓練、外出支援(ガイドヘルパー)は65歳以降も利用できる【介護保険にない制度】

3. 入所系

(1)65歳未満から入所している場合、65歳以降も継続可能だが、65歳以降、障害者施設の入所者が療養のため一定期間入院(概ね3か月以上)と、退院後に元の施設に復帰できない。介護保険のみの対応となる。

(注1)

「障害福祉サービスに相当する介護保険サービスにより必要な支援を受けることが可能と判断される場合には、基本的には介護給付費等を支給することはできないが、以下のとおり、当該サービスの利用について介護保険法の規定による保険給付が受けられない場合には、その限りにおいて、介護給付費等を支給することが可能である」

「障害者自立支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」

H24,3,30 厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部より引用

ひこうせん未来 編集事務局

終わりに

65歳高齢障害者問題は、今日クローズアップされてきていますが、実は、障害者自立支援法の条文にすでに規定されていました。今日これだけ表面化してきた背景には、この間の当事者運動の成長と権利条約・障害者基本法の改正があげられます。

「Nothing about us,without us!」「私たちぬきにわたしたちのことをきめないで」国連障害者権利条約策定過程の共通のフレーズでした。2006年障害者権利条約を採択、批准しました。その後、国内においては、障害者基本法の改正、障害者総合支援法の制定、障害者差別解消法の制定を経て、障害者権利条約を批准するための国内法の整備がなされ141番目の批准国になりました。障害者が主体的に社会参画するために合理的配慮をするよう条約は求めています。

障害者総合支援法の「基本理念」では、障害者の「個人としての尊重」、社会参画への支援を明示しています。障害者権利条約に沿った理念です。他方、介護保険法では65歳以上の高齢者が、加齢によって生じる心身の機能低下を補う、身の回りの介助に限定されているものとしてのサービス(介護保険法1条)とされています。

介護保険法による介護サービスは、障害者権利条約、障害者総合支援法の基本理念である日常生活の支援による社会参画そのための合理的配慮の制度設計とは異にする法制度です(ただし、(注1)の厚生労働省通知で明示されている、いわゆる「上乗せ」は自治体ごとの判断による給付になります。注意が必要です)。速やかに障害者総合支援法7条は廃止しなければ、障害者権利条約・障害者総合支援法の基本理念に背き法の整合性は失われます。65歳高齢障害者問題は上述の深刻な法制度の危機をも孕んでいると思います。

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